2025俳句甲子園 (書肆アルス) Aブロック 第1会場 ところてん(心太または心天、瓊脂)は、テングサやオゴノリなどの紅藻類をゆでて煮溶かし、発生した寒天質を冷まして固めた食品で、それを「天突き」とよばれる専用の器具を用いて、押し出しながら細い糸状(麺状)に切った形態で食べるのが一般的である、とされる。暑い季節に涼を得られる食べ物として、夏の季語とされる。 私はこの季語で数句作っていますが、いずれもきょとんとした感覚や稚気を表すなどどちらかといえば滑稽を含め表現する時に使う傾向にありました。しかしこの両校の句は必ずしもそういう感覚ではなく以下のようにシリアスなものでありました。 ○洛南高校 友病みぬ日に透かし食ふ心太 海城高校 無垢床に踵さらりと心太 実は、私にもこの初冬に大切な友が不慮の事故で入院、ということがありました。私は心太で句には出来なかったですが、あらためて向き合うと日に透かし食ふ心太といった空虚さであるようにも感じます。はたまた、我が家は無垢床ではなく複合のフローリングなのですが築後30年を越え所々ブカブカするようになり、この句のように踵にさらりとする無垢床がうらやましく思えたのです。いずれにしても、私の固定観念を越えた作品で素晴らしいと、思いました。
2025 俳句甲子園(書肆アルス)
Aブロック 第1会場
海城高等学校
御朱印の篆書の丸さ青田波
○済美平成中等教育学
会えるまで歩く小雨の青田道
3句戦の 結果は済美高が勝っているが、私にはどちらとも優劣がつけ難い。強いて言うなら海城高の篆書の丸さはよく見える、が下五の青田波との取り合わせ、その離し具合には物足りなさを感じる。済美高の会えるまで歩くは、いまいちピントが合っているのかわからぬが、その青春性はわかる気がする。小雨の青田道も素直に見える。
Aブロック 第1会場
洗足学園 つややかに僧の脛あり青田風
○洛南高校 イーゼルを高きに留めて青田波
3句対戦の結果は洛南高校が勝っているが、この2句で見ると洗足高校が優れて見える。つまりは題材の違いなのだが洛南高校はイーゼルという画材に的を絞り青田波に向かうという爽快な景に青春性たっぷりに詠みあげている。他方洗足高校は、僧の脛に絞りそのつややかさを詠んでいる。それは単に美しさを詠んでいるのではなく、僧の座する修業で磨かれた脛の美を詠んでいると私は解するのだ。そして、その深さにおいて洗足高校に分ありと思うのである。
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