Ryo Daimonji Blog
冬ぬくしバターは紙に包まれて 中村安伸
バターは洋食和食を問わず調理食材として使われる。同様にマーガリンも使い勝手が良くどこの家庭にも冷蔵庫を開けるとあるのではないだろうか。そういう一般的な食材をそのまんま俳句にしたものである。固形性が強いので逆に冬ぬくしなる季語で溶かそうとしているかのようである。あくまで私見であるが《冬ぬくしバターを包む銀の紙》と銀紙を強調してよんでみたい。その方がバターの存在が浮きあがると思うのだが。
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冬ぬくしバターは紙に包まれて 中村安伸
バターは洋食和食を問わず調理食材として使われる。同様にマーガリンも使い勝手が良くどこの家庭にも冷蔵庫を開けるとあるのではないだろうか。そういう一般的な食材をそのまんま俳句にしたものである。固形性が強いので逆に冬ぬくしなる季語で溶かそうとしているかのようである。あくまで私見であるが《冬ぬくしバターを包む銀の紙》と銀紙を強調してよんでみたい。その方がバターの存在が浮きあがると思うのだが。
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二人見し雪は今年も降りけるか 芭蕉
いつか二人で見た雪は今年も降っただろうか。降りけるは過去詠嘆の助動詞「けり」、「か」は係助詞「か」で疑問。この二人、なんやかや聞くと何やら怪しく聞こえる。前書に「次のとしならん、越人が方へつかはすとて」とある(笈日記)。
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繕うて古き紙衣を愛すかな 虚子
紙衣(かみこ)は、和紙を糊でつなぎ、柿渋を塗り、天日で乾した後、揉んで柔らかくして衣服に仕立てたもので、冬の季語とある(角川俳句大歳時記)。この句が明治30年12月3日とあるので、ずいぶん昔からあったもののようである。
それを古くなっているのだが、好んで繕うて着ることを句に詠んでいるわけだ。ネットで見ると確かに俳人向きで現代にも合いそうに見える。