228 定本 高浜虚子全集 第一巻『五百句』より

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苔青く紅葉遅しや二尊院       高浜虚子

    二尊院は承和年間(八三四~八四八)に嵯峨天皇の勅願により慈覚大師が建立されたとあります。嵯峨野にあって、紅葉の名所と名高く、千二百年の時を超えて美しい景観に包まれてきました。二尊院は、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を祀る寺院であり、正式には「小倉山二尊教院華臺寺」というそうです(以上ネット情報)。

  苔がむし、紅葉がおそいとは今年の日本と似た気候と思われます。旧跡を詠むには奇をてらわず、かく真っ直ぐに詠むと実にしっかりとした俳句になるのですね。


32 『澤』(著:小澤實)を読む

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石一段降り洗ひ場や草の花     小澤實

   家と家の間に細い路地があってその先にはきれいな水のながれがある。そこへ降りて近隣の人々が衣類や野菜などの洗い場としている。そんな生活の一場面を切り取ったのだ。その流れ際を石一段と決めつけているがコンクリートで固められていたり色々考えられるところである。草の花なる秋の季語も庶民的なこざっぱりとした季感を言い得て妙と言える。


200 芭蕉を読む(芭蕉全句:小学館)

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草の戸をしれや穂蓼に唐がらし   松尾芭蕉

  上五の「草の戸」で私(芭蕉翁)の庵を意味し、その庵に蓼が穂を出し唐辛子が赤い実をつけて侘しい住まいだと、お知りおきください。との意味を解説はおっしゃる。こういう侘しい暮らしぶりは自慢しても俳諧では許されるらしい。貧乏は美徳ではないと思われるが、俳句が支えてこその美感なのであろうと思う。

ギャラリー
  • 2021年(平成23年) 冬 大文字良 第一句集『乾杯』より
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  • 55『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む 
  • 『名句の所以』(著:小澤實 毎日新聞出版)より
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  • ㊼『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む
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