Ryo Daimonji Blog
金屏におしつけて生けし櫻かな 虚子
地紙に金箔を置いた屏風を背景に、それもぎりぎりに押し付けて生けられた櫻を詠嘆している。俳句はまず、何を詠むかであると思うのだが、この句、この櫻を美しいと詠嘆しているのか金屏風に重ねる悪趣味を詠嘆しているのか。私は、なを金屏に劣らず美しく咲く櫻に驚いての詠嘆と解した。
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金屏におしつけて生けし櫻かな 虚子
地紙に金箔を置いた屏風を背景に、それもぎりぎりに押し付けて生けられた櫻を詠嘆している。俳句はまず、何を詠むかであると思うのだが、この句、この櫻を美しいと詠嘆しているのか金屏風に重ねる悪趣味を詠嘆しているのか。私は、なを金屏に劣らず美しく咲く櫻に驚いての詠嘆と解した。
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冬ざれやものを言ひしは籠の鳥 高橋淡路女
人間というのは色々な感覚・感情で生きているものである。この句は「孤独感」を言っている。下五「籠の鳥」鸚鵡や九官鳥のような鳥であろう。突如ものを言うのだが作者にはその声が際立って聞こえるのだ。それ以外に人の声などが一切しない暮らしをしているからだ。冬ざれという季語も効きすぎるほど効いている。
こういう人は明るい感覚や心境もうまく捉えるものである。この人の句集を読んでみたくなった。
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初雪やいつ大仏の柱立 芭蕉
奈良の大仏殿は永禄十年(1567)の兵火で焼けている。この句その跡地に初雪が降っている。この句は元禄二年の1689年とあるので120年も経っているわけだ、芭蕉翁がいつになったら大仏殿は改修されるのだろうと嘆かれるのも無理のないことだ。本格的な改修がなされたのは江戸時代(1692)のことのようです。