2022/4/28
さまざまの事おもひ出す桜かな
『芭蕉の風景』(上)p214小澤實『ひととき2015・4』ウェッジ『新芭蕉俳句大成』明治書院p464
この句でまず思った事はさまざま「な」ではなく、「の」である。本来ならさまざまは形容動詞で「事」にかかるのなら連体形の「な」であるべきである。しかしここで芭蕉は「さまざま」を連体修飾格の助詞「の」でつないでより柔らかなニュアンスを出しているのである。