Ryo Daimonji Blog 『名句の所以』(著:小澤實p200 毎日新聞出版)より
水音と虫の音と我が心音と 西村和子
水音、虫の音と自然の音に包まれている自分を、我が心音とこれもまた音で括り最後に「と」で形は止まるが音の連鎖は続く。この循環の中で己はあって、永遠とも思える命。「命」がこの俳句で捉えられている。
4年ほど前になるが、無痛性心筋梗塞で救急入院治療となったことがある。4度施術を受け、心臓にステントの入る身となった。就寝の床につくたびに己が心音を確かめている。命は安らかに孤独の音がする。