酒なくば無口な波郷忌も近し 伊藤白潮
昭和31年43歳、療養中の波郷である(アサヒグラフ1985.4)。
酒を飲むと妙に気が晴れ陽気な気分になりついつい饒舌になったりするものである。「酒なくば」か、誰でもそうだがしらふの波郷の素顔を瞬間捉えた。「泉への道後れゆく安けさよ」が身に沁みるこのごろである。