Ryo Daimonji Blog   

盃の下ゆく菊や朽木盆   芭蕉
 

 難しい、まず「盆の下ゆく菊」である。盃に酒を飲む部屋の窓下に小さな流れがあって、そこに菊が流れていった。盃は古びた盆の上にあって、なんともしみじみすることだなあ。と、一応の解釈にしてみた。このままではあまりに怖い、解説を読むことにします。

 まず、この句の風流な仕立てはやはり談林派のそれであった。宮中の重陽の宴をモチーフにしているようだ、次に朽木盆は滋賀県朽木で作られるお盆のことのようで、それに描かれた菊の花に話は及ぶこの朽木盆に描かれた菊が盃の下を流れてゆくとは、菊慈童の故事によるまでもなく、酒好きの最も好む境地である。