Ryo Daimonji Blog
 

冬ざれやものを言ひしは籠の鳥  高橋淡路女
 

 あたり一面が冬の寒さの景色になった。そんな中、籠の鳥がしきりに同じ言葉を繰り返す。おうむか九官鳥かそういった鳥だ。籠の鳥との下五であるが、通常籠の鳥は不自由の象徴として用いられる。身辺不自由なものほどよく喋る。まるで私のようではないか。季題に存分に自分の不遇を語らせ常套句に思いを託す、うまい