)Ryo Daimonji Blog


春立てまだ九日の野山哉  芭蕉

 この句の九日が正月一月の九日であることに大方の異論はないようだ。それにしても正月の日の経つ感覚は不思議だ。今日も実際三日なのだが今年は日が経つのが遅く感じられて仕方がない。それが五日を過ぎると急に早く過ぎはじめ二十日前後になると今度はまた長く感じる。そして二月が逃げるとは駄洒落とばかりもいえない。それにしてもこの句、野山に立ち込める淑気を逃さず清らかである。