Ryo Daimonji Blog
 

女人咳きわれ咳つれてゆかりなし  下村槐太


 講演会やコンサート会場で開演前に人につられるように咳が続くことがある。

状況はわからないがこの句、女人の咳につられて咳をした自分を詠んでいる。しかもその女人とは縁もゆかりもないのだ。声を交わすのでもなく咳を交わしただけの女性なのだが、異性ということを際立てる俳句である。