Ryo Daimonji Blog
 

咳をして死のかうばしさわが身より  山上樹実雄
 

 「かうばしさ」こんがりこげたような、よいにおいである。とある。多くの人は火葬で死を終える。が、それは死んで後のことである、生きている間に咳によってこうばしさを感じることが果たしてあるだろうか。あるような気がします。それがこの句の手柄と言えるのでしょう。既死感の経験は私には未だない。