Ryo Daimonji Blog


我山に我れ木の実植う他を知らず  西山泊雲
 

 歳時記によると、春先に様々な木の実を苗床や山に直植えすることを「植う」と言うとある。この句、そのことに集中していることだけを特筆して下五で「他を知らず」と止め切りする。日常の業として為す山仕事なのだが孤高を行く魂の如きを作者は凝視している