Ryo Daimonji Blog
菊鶏頭きり尽し けり御命講 芭蕉
「御命講」とは、日蓮の忌日を弔う法事であった。東京の池上本文寺には数十万の信者が詣でるそうである。この句のテーマとして芭蕉が「御命講」なる言葉を始めて季語として使ったと言はれることがある。芭蕉自身は尚白宛書簡の中で「この五十年間、人が見つけなかった季語を、私のつたない句に取り上げました」と記している。この忌日は旧暦では9月頃で、菊、鶏頭は盛りにかかるころである。にもかかわらず法事のために切り尽くされたと、その勢いがよく表はされていると思う。