Ryo Daimonji Blog
しぐるるや駅に西口東口 安住 敦
出口を東西南北で示すところは多い。多くは南北の場合が多いがこの句、西口東口を示す。大きな駅なのだろう。この駅、地下鉄のそれではないのか。すっかり迷ってしまったではないか。そうなんだ、こういう句は何を言うでもなく、何を写生するわけでもない。読み手に何がしかの感覚を思い起こさせる、多くは虚無感に満ちた青春性のことだ。
しぐるるや駅に西口東口 安住 敦
出口を東西南北で示すところは多い。多くは南北の場合が多いがこの句、西口東口を示す。大きな駅なのだろう。この駅、地下鉄のそれではないのか。すっかり迷ってしまったではないか。そうなんだ、こういう句は何を言うでもなく、何を写生するわけでもない。読み手に何がしかの感覚を思い起こさせる、多くは虚無感に満ちた青春性のことだ。
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春なれや名もなき山の薄霞 芭蕉
春ですねぇ。名もない山の薄霞さえのんびりと穏やかで心地よいです。ほどの意味だろうか、いつ、どこで、誰と、どのように詠まれたのかわからないが、のどかな春の景色や温度、気分までも上五「春なれや」で伝わる。
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眉の根に泥乾きゐるラガーかな 三村純也
眉毛ではなく「眉根」である。一歩さらにラガーに近づく。泥乾きたるでなく「乾きゐる」である、まるで生き物を発見したかのように泥の存在を突き示している。つまるところ、ラグビーという運動の激しさとそれに耐え抜くラガーの逞しさに単に感心しているのではなく驚嘆しているのである
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海くれて鴨のこゑほのかに白し 芭蕉
山里育ちの私は鴨の声を日常的に聞くことはほぼない。しかし今はネットがある、早速聴いてみる。まあ鴨の声って色彩で表すにはダミ声にすぎる、白い、というならもっと透明感のある声であってほしい。だが、強いて解するなら、海鴨って人間でいうならサーファーぽいと思う。潮焼けした声。そう、塩をイメージに聴くと「白し」かもしれない。