Ryo Daimonji Blog
あやめ生り軒の鰯のされかうべ 芭蕉
節分の鰯の頭が残ったまま、菖蒲の端午を迎えた。謡曲「通小町」などを踏む、とある「芭蕉全句 小学館」忘れさられた鰯、鰯のあたまも信心からとは、今に伝わる民間信仰だが、改めて下五できっぱり止められると新たな風情が立ち込める。
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あやめ生り軒の鰯のされかうべ 芭蕉
節分の鰯の頭が残ったまま、菖蒲の端午を迎えた。謡曲「通小町」などを踏む、とある「芭蕉全句 小学館」忘れさられた鰯、鰯のあたまも信心からとは、今に伝わる民間信仰だが、改めて下五できっぱり止められると新たな風情が立ち込める。
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炎天の空美しや高野山 虚子
今年の夏はとても暑い、毎年そんなことを言っているとは思うが特に暑い。まあしかしその空は積乱雲もあってスカッと美しい。上五、中七のまんまである。下五である、高野山は和歌山県伊都郡高野町に位置する山上盆地に広がる真言密教の聖地である。高野山の上に広がる空の特別感をさらりと表現される、昭和五年七月高野山に遊ぶとある。
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かほ洗ふ水の凹凸揚羽くる 杉山久子
こう言う精緻な視点は何気ない日常の感覚で、俳句をやっているとよくわかるのだが、私なんぞには何やら虚無的な疲れを感じてしまう。バシャっと顔を洗ってさっぱりとした氏のお顔も浮かぶのだが、FBで友達でいてくださる、ありがとうございます。
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水むけて跡とひたまへ道明寺 芭蕉
この句も大変難しい。上五「水向けて」冷たい水を墓前に供えて、だが解説には母の墓前と言われるがにわかにそう特定するのは難しい。さらに「跡とひたまへ」は、あとを弔いなされと解する。さらに下五「道明寺」が夏の季語とは、それも乾飯を冷茶漬とする道成寺の名物からきている由し。これだけのことを常識と身の内に蓄えるには、やはり人生は短い。
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這い入りたる虻にふくるる花擬宝珠 虚子
やや小ぶりの白みの擬宝珠の花に虻が花粉を求めて這い入っている、もぞもぞと進むにつれて擬宝珠の花が膨れるのである。どちらかと言うと清楚な擬宝珠の花と虻の取り合わせが素朴で静かな絵に見える。