2026年01月

Kハイク 267

2025俳句甲子園 (書肆アルス)

第4会場

○旧姓のままのジャージに青田風  (星野高等学校A)

バンパーの凹みに煮え湯青田風  (山形県立山形東高等学校)

(○印は3句戦の結果でこの2句の優劣ではない。)

  ジャージの姓が旧のままという星野校Aの句に、高校生で離婚復氏とは思えない、とすると親のそれによる氏の変更のことと読んだ。俳句とは人生を詠むという本質的側面がある。様々な環境を詠んで瞬間、作者の声が聞こえるような句に到達することもある、それを目指してとは言はないが、これを俳句に詠んだ作者はきっと大丈夫と思う。

  バンパーの修理を俳句で試みている山形東校は、その行為と青田風との季感のずれを素晴らしくハイブロウに捉えている。



Kハイク 266

2025俳句甲子園 (書肆アルス)

第3会場

○天牛の油を差せばよく飛ばむ   (開成高等学校B)

天牛のしづかに落ちて裏返る   (星野高等学校B)

(○印は3句戦の結果でこの2句の優劣ではない。)

  本当に天牛って見れば見るほどおもちゃのように可愛い虫だ。

開成Bはそのことを油を差せば飛ぶ、とその人工的な感じを俳句にした。他方星野Bはいわゆる見たまんまの客観写生に徹した。

  俳句の難しさがここにある。星野Bの句が生きるか死ぬかはその前後に並べる句による、客観写生句の存在意義というのは作者が見せる作者の生存環境、作者の人生、世界によって変わるものと私は考えている。従って俳句というものは句集にして初めて意味が出るのだが、その始まりの一句は客観写生句にはじまると思うのである。


ギャラリー
  • 2021年(平成23年) 冬 大文字良 第一句集『乾杯』より
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  • 55『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む 
  • 『名句の所以』(著:小澤實 毎日新聞出版)より
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  • ㊼『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む
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