Ryo Daimonji Blog


五月雨の和田の古道馬もなし  虚子


 この作品は明治27年6月24日『小日本』とある。この頃虚子さんは木曽路を経て京都に帰り、6月には『木曽路の記』を執筆されている『定本 高浜虚子全集 別巻 虚子研究年表(毎日新聞社)』。この和田の古道は、長野県飯田市南信濃和田のいわゆる秋葉古道のことではないかと想像する。宿場街道ではあるようだがなるほどの山奥なので馬もないようだ。そんな風情ひとしおである。