Ryo Daimonji Blog


大木の五月雨の谷に横たはる  虚子


 この句も前回の《五月雨の和田の古道馬もなし》と同じく明治27624日『小日本』とある。この五月雨の谷も長野県飯田市南信濃和田のいわゆる秋葉古道のことではないか。いわゆる杉などの大木は意外と雨風に弱く一晩で谷を渡って倒れたりするものである。その景を詠んだものと思うのだが季節が初夏なので勢い余る景が生き生きと見えて気持ちが良い。