Ryo Daimonji Blog

鳥さしも竿や捨てけんほとゝぎす  芭蕉

 一読、「鳥さし」とはなにかと思う。鳥を刺す猟師のことのようである。次に竿やの「や」の品詞は何か,係助詞と解して「けん」と連体形で受けているので良いように思うが、係助詞やの疑問、反語のニュアンスではこの句の場合そぐわない。やはり終助詞の詠嘆、あるいは単に切れ字と解してよいようである。「捨てけん」で捨てたようだ、と過去推量にした。もって、流石の鳥刺しもほととぎすの美しい声に持っていた竿を捨ててしまったようだ、でどうだろう。