Ryo Daimonji Blog

黴の書に占魚不換酒の印存す  上村占魚

 解説を読むと(小澤實著『名句の所以』)すぐにああそうかと合点がいく。最初「占魚不換酒」がわからなかった、なあんだ本を売って酒代に換えないこと、その決意表明の印が古くなった自書にあるってことだ。

 今日ブックオフにそこそこの本を持ち込んだところで夕どきの酒代にもならんのであるがこの頃はなったのであろうか、このように刻印したところで換金の減点材料にしかなるまいに、なんとも酒好きの俳人のいとほしいことよ。