Ryo Daimonji Blog

足もとはもうまつくらや秋の暮  草間時彦

 この句の季語は秋の暮だがもうひとつ釣瓶落しという秋の季語がある。秋の日がたちまち暮れていくさまをいう、そしてこの句はまさにそのことを詠んでいる。ただ、そのことを暮れ行く足もとに絞り込んで詠んでいるのだ。「時間の流れの早さを目に見えるかたちで、たしかに示している。」とは小澤先生の本書での解説であった。