Ryo Daimonji Blog

菊鶏頭きり尽しけり御命講  芭蕉

 御命講は、法華宗の開祖日蓮上人の忌日をいう。この日のお供えとして庭の菊や鶏頭が切り尽くされてしまった。この御命講を境に鋭く季節の推移を感じ取った句といえる。こういう句は、御命講の意味を知っているとともに何よりも日蓮様のことを理解していないと本当のところはわからないものであろう。しかし、大きく季節の移ろいを御命講という季語で知る。そのことを味わうだけでも季節の深みが感じられてよいのである。