Ryo Daimonji Blog


君をおくつて凍ゆべく戸に彳みつ  虚子

      こご

 前書に別戀とある。恋人を送ってその別れどき戸口にたたづむのだが、寒さに凍えてゆく。たたづみつつ内心は燃え盛るのだ。凍ゆべくの破調が何とも切ない。これはもう、如何ともなし難いことである。戀の一瞬を捉えて佳什、恋ではなく戀だな。