Ryo Daimonji Blog

鰰に映りてゐたる炎かな  石田勝彦

 鰰は居酒屋で酒の当てに何度か食べている。しかし鰰に鱗が無いことや、銀色に褐色の斑紋があることなど、言われてみてそうだったかと思っている。その鰰の調理途中の写生句である。よく見られていると感心する。しかし、うまそうな鰰を詠むでなし、それを焼く炎を詠んでいる。写生の難しさだが、ある程度詠む対象も意図的に具体化されないと写生句の全てがいい、とはならないと常々僕は思っている。