Ryo Daimonji Blog

魴鮄に紺青の夢ありにけり  大嶽青児

 先ずこの句の季語は魴鮄(ほうぼう)で冬である。その魴鮄という魚に紺青の夢があるという。この魚をネットで見てみると前鰭が団扇のように大きくしかも自身の体とは違う色合いで足のように両方についている。全体はゴリを大きくしたような顔で、本当に夢でも見てボーッと寝ているような風である。浅い海から深海にまでと棲み家はいろいろのようだ。この句の「紺青」は明るい藍色を示してをりいかにも魴鮄が見る夢の色だと思う。魴鮄は「ボウボウ」と声をだし鳴く。この魚とても美味いらしいが、情が移ってしまって私には食べられそうにない。