Ryo Daimonji Blog

何に此の師走の市にゆくからす  芭蕉

 何度も読んでみて、やはりこのカラスは自分のことを詠んでいるのだと思う。自嘲的に「なにをするために」あるいは「なんで」「わしはこの忙しい師走の市場にゆくのだろう」上五の「なににこの」が自身の師走の身のやるせなさをうまく捉えている。

 かくいう私も一日ほぼ一回、ボロ車で町内を走ることにしている。もっともこの句の芭蕉翁ほど嘆きはしないが。