2025俳句甲子園 (書肆アルス)

第2会場 

天牛やあなたから生まれたくなかった (桐蔭・和歌山信愛高等学校)

○女子校の髪切虫を取り囲む (聖マリア女学院高等学校)

(○印は3句戦の結果でこの2句の優劣ではない。)


  桐蔭・和歌山校の天牛は、本来、選句して奨励するべきではない拒絶という負の感情が俳句にされている。それも、額面通り単純に読めば親への拒絶である。天牛は確かに見ようによれば嫌悪執念の塊のような体にも見える。他方聖マリアの髪切虫は女子学生に取り囲まれ風前の灯の体である。

   近年、感情にしても風潮にしてもその核心をなす状況はそれぞれに過ぎてひとつに断じて論じれることは少ないと思う。

この両句を読んで、世の中、そんなふうに豊かになったのだと、変に感心してしまうのである。